13/07/2010 | 11:34:00

チュウ・フック村の工芸家

自ら作った製品を紹介している元気なドゥック氏。写真:ナム・スオン(Nam Suong)

ハノイのタイン・チ県タン・チュウのチュウ・フック村の人々は昔からベトナムの伝統的な布であるトカムに誇りをもっている。

多くの世代に亘って受け継がれてきた伝統的な工芸村に生まれ、成長したドー・ディン・ドゥック(Do Dinh Duoc) 工芸家は生涯、トカムを織る仕事を祖先から受け継いでいる。

小さな簡素な家でドゥック氏は昔から伝わる自分の村のトカムを織る仕事について語り、自作の製品を紹介してくれた。チュウ・フック村で祖父母と両親がこの布を織る仕事をする家で成長したため、ドゥック氏は子供の時から布や織り方に慣れ親しんだ。

その後、ハノイ工業美術大学を卒業し、ドゥック氏はその教師となり、全国、特に、ムオン族、ザオ族、タイ族が住む西北地方のトカムに心を引かれ、その民族の人々と生活し、自然とその伝統的な文化を有するトカムが「染み」こんだ。
ドゥック氏は労力と時間をかけ、染める色、原料、少数民族の人々の織り方を研究した。

ドゥック氏はハノイのトカムは色、模様とその配置、丈夫さの程度において他の地域と違うこと、少数民族の人々は真っ赤、真っ青など派手な色が好きだがハノイの人々は薄い色が好きであること、ハノイのトカムの模様も緻密で、派手な要素が必要であるということに気づいた。

その特徴を知ってから、布を染める時、ドゥック氏は元の色でなく、多くの色を混ぜ、ハノイの趣味に合う色と、活発で、明るい模様を選んだ。

また布を織る時、現代的な機械を使用、やわらかく、エラーがないようにした。ドゥック氏は「美しいトカムがほしければ、アイディアが必要。他は原料、色を混ぜること、細かく織ることも重要です。

トカムの製品は単純な労働の産物というだけでなく、民族の文化の精神が込められた製品、創造力を表明するものです。伝統的なトカムを織る仕事は丁寧にすることが必要で、模様は人の手で作らなければなりません。」と語った。

それほど難しく、困難な仕事であるにもかかわらず、自らの村の産業を受け継ぐために、毎夜、ドゥック氏は新たなトカムを研究し続けている。その結果、ドゥック氏のトカムの製品は国内外の客に人気があり、ベトナム共産党と外務省の客室に飾られ、ドイツ、ポーランド、日本などの展覧会に紹介された。

この度、ドゥック氏はハノイのタンロン建都1,000年記念のため、トカムを織る機械とその製品をベトナム歴史博物館に寄付した。

ドゥック工芸家は75歳となったが、トカムを織る仕事への情熱は今も健在で、トカムの製品の一つ一つにドゥック氏の力も心も含まれている。

フウ・トゥアン(Huu Tuan)

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