13/07/2010 | 11:41:00

ハノイの古典的な屋根

ハノイの古い屋根構造を代表する家(デーラータイン通り1073番地)。写真:タット・ソン(Tat Son)

コケの生えている小さな屋根があちこちと点在するハノイ36通りの景観は、この都市が生まれた頃の時代を表す貴重な「美」とも言える。

これらの古典的な屋根は、ハノイという街の文化的発展の特徴を示すもので、構造については、ほぼすべての屋根が木製梁と瓦から作られている。 梁に使用されるものはチックや鉄樹などの貴重な木材である。

そして、それらが特に専門教育を受けたこともない職工たちの経験に基づいた構造であることも、専門家をはじめ多くの人々を驚かせるのだろう。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、魚の鱗のような瓦がほとんどの家屋に利用されていた。

屋根の頂上部が古い建築模様で飾られることにより、自然な波の屋根を作り出すことができる。飾りの模様や屋根の端は、昔の職工たちによって巧妙に彫刻されたものだ。

1920年代に入るとハノイの建築様式を象徴する家屋の他に、アジア地域の建築様式の影響を受けて建てられたものも出現した。

これらの家屋の特徴は、傾斜した屋根と「マッチ乗せ」と呼ばれる新しい建築様式であり、ベトナムの伝統的な屋根と同様な長所を有している。フランス建築様式と伝統的な建築様式の融合を代表するのが現在の外務省の本部(ハノイ・ディエンビエンフー通り)であるが、この建物はフランス人によって設計され、各塔の八角の屋根が主たる屋根より高く設定され、2階の窓にも小さな屋根がある。さらに、両端の屋根もあるなど、「豊富な」屋根構造が特徴だ。

「マッチ乗せ」と呼ばれる屋根は、家中の風の流れ、風雨と日差し、暑さ除けに効果がある。まさに、ベトナムの伝統的建築様式を現代的な建築様式と巧みに調和させた一つの成果であろう。

さらに、移住した中華系の人々の影響も受けて、ハノイの街の建築様式に豊かさをもたらしたが、同時に独自の伝統的価値も維持されている。 遠い昔の職工たちは、同じサイズの装飾を利用していたが、やがて瓦の下に花の飾り模様を追加するようになり、より荘厳な雰囲気をこの街の家々に伝えてきた。

このような伝統の維持と外国からの文化的な摂取が、ハノイにおいてベトナムの他の都市では見られないような独特な建築様式を残したのである。

チャン・チー・コン(Tran Tri Cong)

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