13/07/2010 | 11:47:00

ハータインの朽木

様々な種類の朽木(ルアゴー)。写真: レー・ミン(Le Minh)

ハノイでは、朽木(ルアゴー)を楽しみにして集う人々が多かった時代があったが、現在のところ、その数は少なくなってきており、愛好家も減少しつつある。

レー・タン・ダイ(Le Thanh Dai)氏は、ハノイで長い間にわたって朽木を収集する芸術家で、また、その豊富なコレクションで知られている。

彼の展示コーナーでは100種類もの朽木を見ることができるが、その内、多くの作品はダイ氏の手によって作られたもの。花瓶、灰皿、台、テーブルから像や鏡台、あるいは高級な製品まで朽木で作られ、飾られている。朽木は木の「核」、「魂」であると言われている。例えば、観世音像は珍しい種類の朽木で作られ、上半身は立方体の形をしているが、下半身は自然な丸々とした筋があり、服の形をしている。

また、お酒をしまうキャビネットはもともと赤ニョーと呼ばれる木の2mもの大きな朽木で作られた。これには模様が千個もあり、多くの大小の根からなっている。

もともと捨てられるものらしいが、ダイ氏の目により非常に貴重なものを選りすぐり、彼の手で芸術作品が創作されるのである。

朽木を探すのは難しく、また非常に工夫が必要だ。美しい朽木を手に入れるため、荒れた森林などまで探しに行く時もあるという。また、朽木の美しさを見極めるのは困難であり、それを形作っていくのは独特なものがある。自然の美しさを有する美しい朽木を作るためには、まず、その形を選別しなければならない。

その後、作品の内容を鑑みるのである。次に不要な部分を磨き、最後の工程は作品を美しく磨いてから、塗料を塗る。もちろん、塗料を塗らず、そのまま製品となる作品も有る。このような作品は、非常に自然な感覚を持った木像などが多いという。

朽木は自然の特徴的な点にも製作者の個性も持ち合わせ、そのため、フランスやドイツなどの遠い国からレー・タン・ダイ氏のところを訪れる顧客も多いのだという。

彼(彼女)らに共通していえることは、自らの趣味の共有あるいは自らが非常に個性的な作品を所有したいとの願望を持っていることだろう。急速に変化するハノイではあるが、朽木愛好家にとって喜ばしい場所はまだまだ存在しうているのである。

タイン・ホア(Thanh Hoa)

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